2012年08月27日

 ほたて


実は私、釉薬をかき混ぜるのが大嫌いです。焼き物屋の風上にも置けぬ性分だと
自分でも思いますが、長年携わっていてもやはり駄目なものは駄目で、畢竟自分
の作品は釉化はさせますが、泥漿状の泥水釉薬は染付け磁器を焼くときぐらいし
か使いません。

 では、どうやって艶を出すのか?意外と簡単で、灰、ワラ、
 籾殻、貝殻を使うことで釉化材としています。瀬戸で釉薬が
 発達する前の原始的な釉を手本にしていると言えば格好い
 いですが、要はあのドロドロの釉薬を触りたくないのです。

ろくろを挽いて出る泥水は全く気持ち悪さを感じないのに、何故に釉薬が気持ち
悪いのかは不明ですが、土の手触りと石や灰の混錬物の感触の違いが琴線に
触れる分かれ目だろうと勝手に解釈しています。最近はワラや籾殻が手に入りに
くくなりましたが、貝殻などは入手しやすいので助かっています。食べた物はも
ちろんよく洗って干し、大量に必要なときは横浜の市場で譲ってもらって干して
使います。これで少しは横浜らしさが作品に加味されればと思いますが、やはり
陶器は土味が主ですから、使い慣れた信楽の土の持ち味を引き出す助剤に他
ならないでしょう。今後もこの手法が若林焼きの主軸になっていくことと思いま
すが、何か新しい助剤も開発して、ドロドロ釉薬とはさらに距離をおきましょう。

平たいホタテは皿などにもってこい、作品の形状によって色々な貝殻を使い分け
ていますが効果はどの貝も一緒です。高かろう良かろうにはならないんですね。


posted by かまなりや at 18:15| 焼きもの