2015年01月21日

 おえどけんざん


 陶芸教室の生徒さんにおもしろい陶器
 を見せてもらいました。京焼きの尾形
 乾山の後継者で、七世乾山を名乗った
 とされる浦野乾哉作らしき向付です。

素地は陶胎の白土で、化粧は施していないように見えます。
貫入が美しく、細かな釉ヒビには鉄か何かの渋を染み込ませ
て景色としています。大柄な色絵は久谷っぽい五彩、椿の絵
の配置は琳派の流れをくむ乾山を彷彿とさせる斬新な巧妙さ。
口に輪花風の変化をつけている所謂 『のぞきむこう』 は、茶
懐石のお道具でしょう。裏には落款が赤絵でドカンとついて
います。

真贋のほどは全くわかりませんが、興味深いのは七世乾山は
東京の入谷、今戸で窯を焚いていたという史実。何と東京焼き
なのです!今戸焼は今でも継承されている方がいらっしゃると
聞きますが、乾山一派もお江戸で焼いていたなんて痛快です。

江戸は諸国の吹き溜まりなんてぇことを言いますが、京の陶人
たちも江戸の活気に惹かれて下ったのかと思えば、中々どうし
て捨てたもんじゃぁありません。東京は震災と空襲でほとんどの
物が壊れてしまいました。今戸焼や隅田川焼きも出るのは地方
の蔵ばかり、それでも 『まる〆猫』 を復刻している人がいら
したりと、小さな火は続いています。

半かな東京生まれではありますが、こういうエピソードに触れ
ると生地への慕情がちいとだけ胸に湧いてきます。

posted by かまなりや at 16:34| 焼きもの