
この春に新設された、陶房かまなりや 『手芸部』 から、小まめに書の依頼が舞い込みます。今日は小さめの布に字数多めに書いてくれとのことで、ハテ何を書くべいと暫く思案の末、柳田國男の遠野物語から、ざしきわらしの一文をかいつまんで散らしました。この布はブックカバーになるそうです。
私は魑魅魍魎妖怪の類の実存は信じませんが、人間の心の弱さが見せる空想の物語は大好きです。特に遠野物語のザシキワラシはどこか愛嬌があってウチにも現れてほしいと思ってしまいます。
今日の布は墨をはじく書きにくい布でしたが、筆速を抑えて墨を乗せるようにしました。いっそ吸い込みの良い布の方が早さが出て気分がいいのですが、こういう抑えた書も良い精神鍛錬になります。
さてさて、どんな製品になるのでしょう、楽しみです。