
久しぶりにぎざぎざのある十円玉を手に入れました、昭和二十七年ものです。ぎざぎざの十円玉通称 『ぎざ十』 は昭和26年〜33年まで8年間造幣されたそうですので、27年物はかなり前半のもので嬉しいです。価値としては33年の物が数が少なく高値がつくそうですが、相場的な付加価値よりも、実物を持っているという現実味の方が蒐集心を満たします。
私は昭和38年生まれ、この貨幣よりも十(とお)、年若です。この銅貨は造幣されて64年、あちらこちらで使われ擦り減りながらそれでも尚10円の価値を有して流通してきたのかと思うと苦労が偲ばれます。物を擬人化するのは幼稚で嫌いですが、自分よりも10年も浮世の苦労を重ねたかと思えば、十円玉1枚にも敬意を感じずには居れません。
暫くは手元に置いて、眺めて暮らしましょう。