2017年07月06日

 ぶあつい



 
池井戸潤氏の社会派小説 『空飛ぶタイヤ』 を読み終えました。文庫版ですが、厚み1寸(3cm)本編頁数826という巨編です。が、ぐいぐい引き込まれて後半は一気に読んでしまいました。もっと長くても良いくらいに感じました。物語は、トラックのタイヤが外れて死傷事故を起こした運送会社の社長が自社の整備不良が原因ではないことを証明するために奔走するという物ですが、メーカー、銀行、取引先、警察などが絡みつつ苦戦に苦戦を強いられながらも最後には自社の潔白を証明するというお話です。重いテーマではありますが、そこはそれあの半沢直樹を書いた作家さんですから物語の絡め方が巧みで読み手を飽きさせることがありません。

このお話、全くのフィクションとして書かれていますが、舞台は横浜です。そう、2002年に三菱自動車が実際に起こしたタイヤ脱落事故とそのリコール隠しに焦点を当てて書いたものであることは明白です。私もこの事故の前の一時期三菱デリカに乗っていましたが不具合が多く、近所のディーラーの対応が頗る芳しくなかったので愛想を尽かせたことがありました。

人の心情を書かせると実に上手な作家さんだけに涙なしでは読めない本です。しかし、読後の清々しさは保障します。ちょっと嵩張る重い本ですが、ぜひお勧めいたします。

posted by かまなりや at 00:00|