2018年12月12日

 そなえもの




本焼きの窯を焚くときには、ささやかながら窯に供え物をします。神頼みは本意ではありませんが、焚いている最中の天変地異だけは人智では回避できないので、せめてもの厄払い祈願と、大きな火を焚くことへの心の引き締めを兼ねて、塩と米と水と酒を供えます。ひと窯焚くと、水と酒は窯の熱できれいに気化します。これは窯と一緒に昇華したと解釈しますが、塩と米は残るので、窯出しの際に塩は東の方角へ蒔いて雨に溶けて海へ帰ることを願います。米は裏庭の桜の木の根方にあるヒノキの切り株に備えますと、鳥か狸かがきれいに山に返してくれます。

この習慣は窯を設置してから欠かさず励行していますがさて、もう何回繰り返したでしょう。今年の窯もあと酸化と還元をひと窯ずつ、都合2回で終了です。平成30年は各地で災害に見舞われてしまった年でしたが、あと2週間ちょい、何事も無く平穏に暮らして無事に窯を納めたいものです。海と大地が穏やかでありますように、あとふた窯、海と空からいただいた塩と水、大地と人智の結晶である米と酒をきちんとお供えして真っ直ぐな気持ちで焚きましょう。

posted by かまなりや at 20:01| 焼きもの