2021年01月17日

 みつやせいざえもんざんじつろく


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久しぶりに時代小説をゆっくりと読みました。コロナで外出を控えて浮いた時間で読書をのんびり楽しみました。本は『三屋清左衛門残日録』藩主用人を勤め上げて隠居した主人公が老いを目の前に感じながらも、内輪の揉め事といった些事や、政変などの一大事に巻き込まれつつ、自分の人生を見つめ直すといった筋書きの時代劇です。

もう何回か再読していますが、初めて読んだのは30代、最後に読んだのは40代だったように思います。その間も数度頁を繰ってはいますが、いずれも主人公よりは年若の頃、主人公よりも2つ3つ歳をとって改めて読んでみると実に主人公清左衛門の視点で感情移入して小説を楽しめました。

今年の正月元日に58歳になり、同級の友人はこの春から皆粛々と59になります。昭和の時代ならあと一年で定年、江戸時代なら良い爺様です。化学医学が進歩し寿命は80に伸び、人生100年時代と言われるまでになりました。58歳などというのは言わば壮年働き盛りと言っても過言ではありませんが、老眼鏡は手放せず、ちょっと畑仕事などすればすぐに息が上がります。もう決して若くはありません。

さてでは清左衛門のように隠居できるかといえば、自営の職人風情は生涯現役で頑張らねば未来はありません。が、裏返せば勤め人のように定年退職の規定はなく、自主的に廃業しない限り社会的地位を失うことはありません。どうせ人間死ぬ自由は無く、生きることを自発的に停止することは難しいのですからいっそ働き続ける方が有意義でしょう。

と、なるとまずは体の健康、さらに気力の充実が必要不可欠になります。世界では新型ウィルスの猛威であろうことか200万人もの人が亡くなってしまいました。悲しいことですが、死んだ者は戻りません。前を向いて、軋む体に鞭を入れて、上を向いて歩いてきましょう。

この小説は読後そういった力が湧いてくる名作だと思います。

posted by かまなりや at 18:01|