2012年10月15日

 愛 着


陶器と磁器どちらが好きかと問われれば、陶器と答えます。勿論磁器も好きです
し、中間的なb器(せっき)も大好きです。ではなぜ陶器が好きなのかを考える
と、答えは単純ではありません。一つには土物特有の肌合い、適度な重さ、そし
て一番の良さは 『脆さ』 ではないでしょうか?

 例えばこの急須、蓋が割れてしまったので同じ焼き色の
 蓋を呼んで合わせて使っています。だからちょっと寸法が
 小さいです、それも欠けてしまい漆で貼りあわせました。
 注ぎ口もかけていますし、ずいぶんよごれました。

陶器の脆さは云わば弱点ですが、大事に使えばまあまあ強く、でも強い打撃には
負けるというこの脆さの加減が何だか良いのだと思います。素材ごとにそれぞれ
点のようなものがあると思います。木材には木材の、鉄には鉄の、布地には布地
の、その加減を知って使う心地よさが趣深いのでありましょう。上手く表現でき
ませんが、卵の殻は程々に強いけれど、力の加減で上手に割ることができます。
割らないように扱って、必要な時にはぐしゃぐしゃにならないように加減をしな
がら上手に割って使うその要領、点を知って扱っているという按配でしょうか。

器屋ですから、新しい物を作って焼けばいいのでしょうがどうにも長く使い込ん
で手になじんでいる道具は手放せません。こんな古急須でもあれば重宝ですし、
無きゃぁ不便です。新しいものを作るのは簡単ですが、もう少し頑張って使いま
しょう。いずれ落とすかでもしてバラバラに割れてしまうなら、その時点が寿命
でしょう。いつになるかはわかりませんが、その日が来るまでよく洗ってお茶を
楽しむことにしましょう。

たぶん七・八年ほど使っている自作の急須、信楽の砂目の赤土に灰ぐすり。

posted by かまなりや at 15:56| 焼きもの