2013年07月05日

 どびん


 袋物を挽きました。一見、徳利のように見えますが
 土瓶になります。これはその胴体部分、ほどほど
 乾いたら蓋を切り出し、口を付け、ツル掛けを付け
 て出来上がり。焼いた後、手を編みこみます。

試作の品物が中々具合が良かったので、少し数を作って秋の作品展
で発表します。手間のかかる品物ですが、こういう細かい作業はお手の
もの、職人の腕の見せ所です。彫刻のような陶器は、なるべく土の伸び
たいように任せるのが良いのでしょうが、用途のあるもの特に急須のよ
うな道具は、お茶の出、切れ、持ちやすさ、使い勝手と、複雑に絡みま
すので、形のみを優先しても上手くいきません。もちろん形は大事です
が、色々な要素の 『中庸』 を目指すのが肝要です。

そんな中にも、おもしろさや美しさをどのように加味するかは作り手の
大きな課題でしょう。私は工芸職人ですから、造形作家の皆さんの
ように陶器のプロセスを脱線して、素材を相対化することには抵抗を
禁じえません。でも、造形家の皆さんが作る自由な作品からも大いな
る示唆を感じます。特に土に対する向き合い方に心地よいほどの潔さ
を感じます。そういった自由さから学んだものを、どのように自分の
仕事に加味するかを考えつつ、職人らしい感性を磨きましょう。

いつか名器などと呼ばれる土瓶ができたら、名刀のように作者の
名前で呼ばれたら格好良いですなぁ、正宗や村正のようにね。

いちおう正の字はあたしの名前にも付いてるんですけどねぇ。




手も無事に編みあがりました。結局今の時季に国産アケビは手に入らず、
細めの籐を染めた物を使用、まあまあ良い感じです。

posted by かまなりや at 17:19| 焼きもの