2013年07月19日

 さんたて


 おソバは 『三たて』 が美味しいと巷では言われ
 ます。所謂挽きたて、打ちたて、茹でたてですが、
 これはどなたも異論がないでしょう、が、敢えて
 この贅言を要しない神話に異を唱えてみます。

まず 『挽き立て』 石臼製粉行程を細かく知れば玄蕎麦を挽いたものに
はそば殻が混じっていてすぐに食べられる状態ではありません。殻を除い
たヌキから挽いたとしても、甘皮が混入し野趣のある蕎麦にしかなりませ
ん。不味くはないですが、アクの強いものになってしまいます。粉は篩を
通して丁寧に調合をしてこそ美味いのです。敢えて言うなら 『篩いたて』
が良いでしょう。

次に 『打ちたて』 手打ちのお蕎麦は切ってすぐは美味しくないと言わ
れます。おソバ屋さんはこれを包丁下といって少し置いてから茹でます。
麺線から余分な空気を抜くためだそうです。私などは一晩寝かして熟成
したものを美味しいと感じます。

そして 『茹でたて』 茹でてすぐの熱々のお蕎麦はねっとりとして不味くは
ないですがどろりとしています。出雲には釜揚げソバがありますが、蕎麦
粉の多い細打ちはやはり一度水で洗い、ぬめりを取って水を切り、もりな
ら冷水で締めて、あつもりなら湯をかけて、かけでも一度洗ってから温か
い甘汁をかけるのが美味い食べ方だと思います。

さて、この三たて、製粉も打ち方も情報も流通も今のように発達していな
かった頃の神話ですから現代の暮らしにそぐわなくなってしまったのは致
し方ないことでしょう。でも、出前のお蕎麦しか食べられない状況では憧れ
るのも無理からぬこと。重箱の隅をつついて三たてに盾を付きましたが、
広義では意義はありません。きちんと挽いた粉を手打ちして、しっかりと
茹でたお蕎麦は最高です。

でもね、乾麺のおそばでもしっかりと茹でて締めて水を切っておくと茹で
置きも抜群に美味いんですよぉ。画像はお昼に茹でたよしみやさんの乾麺、
涼やかなガラスの小皿に80gほど分けてとって置きました。これからこれに
つゆをぶっ掛けて晩酌の肴にします、焼き海苔を添えてね。

ほ、ほ、果報、果報。

posted by かまなりや at 17:51| そば・うどん・麺類