2014年02月11日

 Run.Melos!


 中学2年生の書いた作文 「メロスの全力
 を検証
」 という研究レポートをとあるサイト
 で発見し、面白く読みました。理数教育研
 究所主催の塩野直道賞の受賞作品です。

小説の記述からメロスの往復の時速を推定し、諸々のエピソー
ドも加味しつつグラフ化して検証する理数的切り込み方は生真
面目で、それがまた興をそそります。短いレポートですが、意外
にメロスの走る速度が遅いことを発見し結びではタイトルに少々
の注文をつけるところなどもウィットが効いていて共感します。

この検証によれば、メロス往路の平均時速は3.9km 復路に至っ
ては2.7km 最後に死力を尽くしたところでさえ5.3km です。私の
お散歩の速度はゆっくりのんびり歩く時で4km ほど、急いでとっと
こ歩く時には6km です。メロスは明らかに散歩程度のスピードで
しか移動していません。果たして彼は余程の鈍足ランナーだった
のか、はたまた障害でも持っていたのか・・・そこは理数の範疇
ではなく、哲学での切り込みが必要でしょう。

文芸作品に理数の検証を持ち込んで云々するのは野暮に他なり
ませんが、小説の考証こそこういったことをしっかり踏まえる時代
になったのだと解釈すれば、若い世代の方々にはこういった視点
を大事にして欲しいものだと思います。

著者は故人ですが、生きていらしてこの作文を読んだらどういっ
た感想を述べたでしょう。思うに太宰治がこれを読んだとしたら、
『作者はひどく赤面した』 のではないでしょうか。

一般財団法人 理数教育研究所

posted by かまなりや at 17:46| 哲・考・生