2016年10月13日

 貝殻焼締字文花入




先日、記念品製作のお礼方々日本橋箱崎町のCAC様へご挨拶に伺いましたら、本社ビル最上階の応接室にお通し下さり、社長様と製作の苦労話や釉薬のことなどゆっくりとお話をさせていただきました。3年前の個展で展示した 『え』 と指書きした貝殻焼き締めの花入れを差し上げたところたいそう喜んでいただき、応接室の棚に飾って下さいました。然しながら棚には有田焼人間国宝井上萬二先生の 『黄緑釉牡丹彫文壺』 が、どどんと聳えており、ひょえぇええとぶったまげていると、製作した記念品カップともども一緒に並べて写真を撮ってくださいました。

井上萬二氏は御年87歳、佐賀県では早くも米寿記念展が開催されています。この画像からもそのフォルムの品の良さが匂いますし、実際持たせてもらうと大きな壺にもかかわらず軽くできており、そのロクロ技術はやはり日本最高峰であると実感しつつ、唸り乍らも矯めつ眇めつ鑑賞させていただきました。

さて、私も一職人としてまだまだ腕を磨かねばなりません。今回の2000個の製作でたくさんの糧を得ました。技術、体力、精神力、相撲でいう心技体は伊達ではないことが理解できました。この経験を宝にもう一枚上を目指して稽古に励みましょう。 どすこい!

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posted by かまなりや at 17:21| 焼きもの

2016年10月05日

 しながわ




工房草來舎さんの 『暮らしを楽しむ器展』 を観に、品川へ行って来ました。京浜急行の快特で横浜駅から15分、高輪口駅前のギャラリーは近い東京です。今年も林檎灰や松灰、藁灰といった灰立ての釉薬を主に、薪窯の焼き締め陶等々所謂お国焼き系統の様式で焼かれた器がずらり。使うことに重きを置いた作品はどれもきちんとロクロ挽きされていて、ついつい手にとりたくなる温かみに満ちていました。



作品も楽しみなのではありますが、大越慶さんと丸山葉子さん御夫妻にお会いするのが実は第一番の楽しみなのです。お二人とは二十代の茨城修業時代から懇意にさせていただいてかれこれ30年超のお付き合い。焼き物を齧りはじめたころから、たくさんのことを教えていただいた恩人でもあります。

お互い歳をとったねぇなどと笑いながら、楽しい時間を過ごしてきました。短い時間でしたが、幸せ度の高い時間でした。きっと女将りえ子のフェイスブックにも話題が上がることでしょう。アカウントをお持ちの方はそちらもどうぞ。

posted by かまなりや at 17:43| 焼きもの

2016年09月18日

 かんそう




台風16号の接近と秋雨前線の影響で、お天気が芳しくありません。湿度が高い環境は、じめじめ型人間の私には心地よいのですが、いかんせん洗濯物が捗らず本焼き窯の余熱で乾燥させています。すごいんですよ〜、ものの30分もすれば薄物はパリッと乾きます。

神聖な窯場を乾燥室にしてしまってはよろしくありますまいが、こんなお天気ですから、窯神様にはご勘弁を願っておきましょう。

posted by かまなりや at 16:38| 焼きもの

2016年09月14日

 総仕舞い




今年2月から取組んできました記念品製作もいよいよ仕舞いの窯を焚いています。この窯で追加注文分180個が揃います。この作品だけで春からこちらおおよそ三十窯ほど焚きました、よくぞ壊れずに耐えてくれたものです。あと数時間で終了です、気を入れてしくじることの無いように焚き上げましょう。

秋には、窯のメンテナンスをしっかりとしてやりましょう。 感謝!

posted by かまなりや at 18:45| 焼きもの

2016年09月02日

 さんさい




ふた月ぶりに磯子区の、ゆめの森保育園さんの陶芸教室に出張りました。今日は3歳クラスの皆さんとのねんど遊び、楽しんでもらうことを主にでも、形ができたら名前を付けてもらいました。

画像の作品は、数ある傑作の中から一番印象に残ったものです。タイトルは 『トンネル』 良いですねぇ〜、この感性。大人になると、どうしてこういうものが作れなくなっちゃうんでしょうか?

久しぶりに園児さんたちと粘土して、夏バテ気味の心がすいーっと軽くなりました。

posted by かまなりや at 18:30| 焼きもの

2016年08月27日

 かまだし




おととい焚いた窯の、窯出しを終えました。無事に焼き上がりホッとしたら何だか力が抜けて、あまつさえ朝からの雨で気分は鎮静気味。今日の仕事も心持ち上の空でそれでもやるべきことはきちんとし終えました。

夕方になって空気は涼やかになり、お燗酒を舐めながら記事を書いています。南の方では台風が発達しながら逆戻りしてくる模様。来週は大荒れになりそうだと気象予報士が注意喚起をするので、ボロ屋に住む身には不安でなりません。

まあ、お天道様には逆らえませんので、さっさと酔って麻痺し、今宵は久しぶりに布団をかぶって寝るとしましょう。

posted by かまなりや at 17:37| 焼きもの

2016年08月25日

 ごしき




半年にわたって作り続けてきました、株式会社シーエーシーホールディングス様の記念品フリーカップもいよいよ本日最後の窯を焚いています。とは言っても追加注文を150個頂戴しましたので、実はまだ本当の終了ではないのですが、当初ご注文の1800個は本日の窯で焼き上がる (何事もなく窯が終わればのはなしですが) 予定です。

色は全部で5色、50周年に掛けて縁起の良いゴシキになりました。画像右から、白萩、黒マット、青磁、織部、藁灰という釉薬を使っています、素地土はみな同じです。派手な色はありませんが、飽きのこない色味に仕上がったと思います。

ご注文を頂いた当初はとまどうことばかりで、ついにはジンマシンまで出てしまいましたが、恐れていた円形脱毛症や五十肩にならなかったのは、勿怪の幸いでした。この仕事を通して得たことは頗る多く、ご注文下さったCAC様には、お礼の言葉もありません。

あと150個、さらに心を込めて作らせていただきます。

posted by かまなりや at 17:38| 焼きもの

2016年08月21日

 ほうそう




記念品製作も佳境に入り、焼き上がるたびに女将はせっせと包装に余念がありません。パシャパシャ写真を撮って、日報に揚げたよと話すと 『え、太い腕が写っちゃってるの?』 と聞くので、 『いや、大丈夫でしょう』 などと曖昧に答えてお茶を濁しましたが・・・

写っちゃってますな・・・

posted by かまなりや at 00:00| 焼きもの

2016年08月14日

 りょくゆう




CAC様の50周年記念品製作の今月納品分は織部の愛称で親しまれた緑色の釉薬 『緑釉』 です。この釉薬は酸素を多く供給して焚く酸化焼成なので、緊張感があります。普段、酸素を抑えた還元焼成ばかり焚いている身には酸化は調子が合いにくく、うっかり窯内の雰囲気が還元に寄れば、緑の色は赤く変色してしまいます。これは釉薬に含まれる酸化銅が還元すると銅特有のアカガネ色に発色するという化学反応です。

どうやら、この窯は上手く焚けました。今月はこの酸化の窯をあとふた窯焚く予定です。灯油の窯は炎が脂っこいので、酸素不足にならないように気を付けて焚きましょう。

暑いのなんのとはいっておれませんな。

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posted by かまなりや at 19:00| 焼きもの

2016年08月07日

 300




かれこれ半年間取り組んでいます、株式会社シーエーシー様の50周年記念品製作ですが、いよいよ佳境に入ってきました。先日5回目の納品を済ませ、トータル1500個を納めました。残るは追加注文分を入れて450個、もう一息です。

今日は気合の300個、ほぼ二窯分の釉掛けの下拵えをしました、こうやって並べてみると壮観です。ゴールまであと少し、夏の暑さに負けぬよう、給水をしながら頑張りましょう。

関連記事 2016年7月21日 はちごうめ

posted by かまなりや at 18:15| 焼きもの

2016年07月21日

 はちごうめ




今春2月から取り組んでいます、記念品製作は今月になって佳境に入り今日までにおおよそ2300個のロクロ挽きが終わりました。概ね成形はめどが立ちました、が、高台を削って仕上げ素焼きをし釉をかけて焼き上げるまで油断は禁物です。山登りに例えれば 『八合目』 といったところでしょう。

今月も下旬に差し掛かり、疲労はいや増しております。然しながら先月のような体たらくに陥らぬよう、ほどほど休みを組み立てつつきちんと完走できるようにしましょう。山頂にたどり着いたとしても本当の見せ場は下山です。作品を納入してのち、返品やクレーム等にきちんと対応できるように気を緩めず心構えましょう。

梅雨明けも間近です。どうぞ皆様も夏風邪などひかれませぬようご自愛願います。

関連記事 2016年4月11日 たどり

posted by かまなりや at 18:21| 焼きもの

2016年07月13日

 かんげん




ウチの窯は、ほとんどの場合 『還元焼成』 です。一言でいえば燻べ焼き、窯の中の一酸化炭素濃度を上げた状態で焚きます。計測機器が無いので、原始的ではありますが色味穴から出る炎の大きさと煙突から出る煙の量で雰囲気を判断して焚いています。

先日、益子の大塚一弘さんから、「あまり煙を出さなくても窯圧をきちんと上げてやれば還元はかかるし、燃料費も抑えられる、色味の炎は青い色」 という、目から鱗の落ちるお話を聞きました。いつだか岐阜の窯屋さんにも同じようなことを聞いたことがありますが、これはチャンスとばかり根掘り葉掘り質問をしました。気さくな大塚さんは丁寧に疑問に答えて下さって、とても勉強になりました。が、実践はなかなか難しそうです。前回の窯で意識してみましたが、どうも呉須の発色が釈然としません・・・

理屈では、窯内の一酸化炭素濃度4%で還元、8%になると強還元ということですが、計測機器を持たない身には経験則が全て。窯ごとに課題を設定して実験を繰り返しつつ、窯丸ごとしくじらないように経験値を上げていきましょう。

教わるのは簡単ですが、技術として身に付けるまでには時間がかかります。やはり、一生学習です。

posted by かまなりや at 18:14| 焼きもの

2016年06月23日

 せ ん




骨董に造詣のある生徒さんが面白いものを見つけたと持ってきてくれた小さな碗です。煎茶碗ではなかろうかと思う薄づくりの磁肌に唐風の絵付けがとても軽やかに描かれています。高台の内側には永楽の文字、さてどこの物でしょう。

一目、京都っぽい焼き物ですし、永楽の銘を見るに京焼きの永楽保全の流れと考えたくなりますが、作風が少し違うようにも見えます。パソコンで調べても同じようなものは出てきません。感覚的ではありますが、どうも国焼きでは無いような気もします、もう少しつぶさに調べてみましょう。

然しながら、この絵付けの 『線』 の細さと速さ、そして画の上手さには目を瞠ります。小さな器の中にまるで会話が聞こえてくるような知的な人物をサラリと描く手練れに唸りました。こんな器で、良いお茶(お酒)をちょっと飲むのは実に、趣味のイイことですな〜。

posted by かまなりや at 20:04| 焼きもの

2016年06月20日

 ツクルヨロコビ




今日は磯子区の屏風ヶ浦保育園さんで今年度2回目の陶芸教室でした。前回、原土から水簸して作った泥漿を干し、ほどほどに硬くなった土で自由に土遊びをしてもらいました。画像は年長組の男の子が作った 『スポーツカー』 とても良い感じに出来ています。本人も満足な出来だったのでしょう、とても嬉しそうに解説をしてくれました。ああ、こんなに楽しんでもらえれば講師冥利に尽きるものだと屈託のない笑顔を眩しく眺めました。

そういえば自分も、小さなころに粘土で作ったトラを先生に褒められて、シビレルほど嬉しかったことがあったなぁと思いだしました。そこで、ここはひとつ気の利いた評価をせねばと、彼のスポーツカーのフロント部分の造形を 『このフロントのシュモクザメみたいなところが格好いいねぇ』 と褒めました。するとすかさず 『え、ハンマーヘッドシャークのこと?』 と聞き返されて、『そうそう、ハンマーヘッド』 と言いなおしました。はなからカタカナで評価してあげればよかったと自分の気の利かなさを反省しました。

お子さんたちには、小さな頃から、作る喜び(表現する喜び)を味わってほしいです。表現することは自分を顧みることに他ならず、それは即ち自分を磨くとても良い手段です。いつもいつも上手くはいきませんが、続けることできっと心は太く強くなります。頑張ってほしいものです。

今日はちょっと小さな頃の自分に向き合ったような気持になりました。

関連記事 2016年 5月16日 みぢか

posted by かまなりや at 18:58| 焼きもの

2016年06月16日

 ふながた




今年も、地元自治会・子供会の一日陶芸教室を開かせていただきました。もう20年以上も毎年講師としてお声掛け頂いているので、けっこう地元ではおなじみの一日教室です。対象は主に小学生、低学年から高学年まで幅の広い参加があって、引率の親御さんも交えて自由に楽しく作ってもらいます。

毎年、力作が多いのですが今年はおもしろい合作ができました。それが、画像の船です。一人の女の子が舟形の鉢を作っていたのですが、船の形ができると色々な荷物を載せ始めました。それに周りの子たちが呼応してどんどんみんなで荷物を作っては載せてゆき、遂には満載。すばらしい荷船ができあがりました。物を作る過程ではこういった偶発的なことがあって楽しいばかりですが、何より楽しみを見出して作り進めていく子供たちの笑顔と、きらきらした目の輝きがとても印象的でした。

ステキな 『宝船』 きちんと焼いてお届けしますよ、しばらく待っててくださいね。

posted by かまなりや at 17:42| 焼きもの

2016年05月30日

 いわみ




ロクロを挽くときに水鉢として使っている八寸の鉢です。これ、関東では馴染みがないと思いますが、島根県の 『石見焼き』 です。もう何十年も前ですが、相鉄線鶴ヶ峰の商店街の雑貨屋で見つけて、珍しいのと、水鉢にとても使いやすそうだったので買いました。買った当時はちいと小さいかなと思ったものですが、慣れると気にならず、水挽き仕事の時には必ず使っています。

まったく飾り気のない、所謂 『民芸』 畢竟、作者もわかりません。調べればどこの窯元さんの物かわかるでしょうけれど、あまり探索意欲はわきません。島根には行ったことがありませんが、機会があれば石見焼きの里を歩いてみたいものです。

posted by かまなりや at 17:42| 焼きもの

2016年05月16日

 みぢか




今年度も、土から作る陶芸体験が磯子区の保育園で始まりました。今日は原土を溶かして篩を通し、きれいな泥水を作る作業。4歳さん、5歳さんが楽しく遊びながら作業しました。できた泥水をさわって喜ぶ子供たちの楽しそうな姿に心が和みました。

陶芸などというしゃちほこばった名称を考案したのは昭和の大作家加藤唐九郎氏であるという話ですが、私はこの言葉は好きではありません。陶芸家なんて、僭越にすぎる職業名だと思います。もちろん焼き物は素晴らしい芸道だとは思いますが、陶芸家でござい、究極でございなどと云うと、焼き物がどんどん遠ざかっていってしまうように思います。

お子さんたちと一緒に焼き物を作るのはその点、焼き物という工芸が縄文の昔から生活に密着した身近なものなのだと再認識できます。私はどちらかと云えば芸術家肌ではなく、職人ですので、お子さんたちの目線と同じ高さで陶磁器に関わりたいものだと思います。

これからほぼ一年間、お子さんたちの成長を見守りながら土を作り、形を作り、焼きましょう。

posted by かまなりや at 00:00| 焼きもの

2016年05月12日

 しょうひん




2月からろくろを挽き始めた大口記念品製作は最早日課と化し、朝飯前に20挽いたり、午後の空いた時間に10挽いたりと、仕事の合間にコツコツと挽いています。1週間にだいたい100前後、月のトータルが400個くらいになるように調整しながら作っています。

3sの土で概ね12個の作品が挽けます。単純に割って一つ250g、かれこれ1300個は挽きましたので揃いつつありますが、やはり大小はできてしまいますので最後の一つは、たまさか小さくなります。それでも同じような形に挽いて遊んでいます。これは商品としては出せませんが、小品として焼いてお世話になったご注文主様の担当部署の方々にでも差し上げましょう。

沢山挽くことでどんどん仕事はこなれ、早くもなりましたし、粒も揃いました。然し乍らともすれば仕事が漫然とした手拍子になってしまいます。これは予想していたことですが、さて、ここからどのように作品に面白さを出すか?意図すれば恣意的なアクが出てしまいそうですし、かと云って民芸論のように健康な美が宿るのを待つような他力本願は好きません。これからの仕事で、そのあたりをきちんと見定めることとしましょう。

私の性分に適した、美の見出し方があるはずです。

posted by かまなりや at 18:14| 焼きもの

2016年04月28日

 還 暦




横浜名物 『崎陽軒のシウマイ』 の醤油入れ 『ひょうちゃん』 の還暦バージョンを手に入れました。陶芸教室の生徒さんが引き当てたものを下さいました。 ひゃっほー! 

ひょうちゃん生誕60周年記念サイト

何十種類もあるうちの一つですが、すこぶる嬉しいです。実は昨年のキャンペーン中に全種類が当たる懸賞に応募してはみたのですが、あっさり外れました。ヤフオクなどでの購入も考えましたが、けっこう高値で取引されているので二の足を踏んでいたところです。珍品陶器蒐集家としてはやはり一つは持っていないとその沽券に関わります。

ぜひ、大事にしましょう。

posted by かまなりや at 17:00| 焼きもの

2016年04月15日

 とびかんな




画像は、九州大分の小鹿田焼きの湯呑みです。飛び鉋という技法で、化粧掛けした素地がほどほど乾いたところで独特の箆(現地では鉋と云う)で回しながら削ります。その時に箆が小刻みに振動し、このような連続模様が刻まれるのですが、こんなにきれいに模様をつけるには熟練の職人技が必要です。何気なく使っている器ですが、伝統の知恵と職人さんの技が詰まった逸品です。

九州熊本では大きな地震が起きて、災難でありました。被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

posted by かまなりや at 17:42| 焼きもの