2017年01月23日

 くるまや




昨日、久しぶりに八王子の車家さんでそばを食べました。十数年ぶりの再訪ですが、会津から移築された古民家は小揺るぎもせずどっしりと越野の地に佇んでおりました。



小寒かったので 『かけ』 をいただきましたが、揚げ玉にそば寿司まで付いて素敵なお膳。心持ち太めに打たれたおそばは朗らかで香りよく美味しかったです。きれーいに頂戴いたしました。



車屋さんで特に感心するのがその器使い、荒っぽく洗えばすぐに欠けてしまう粉引や唐津焼、萩焼を惜しげも無く使っているところです。このかけそばの丼も 『絵粉引』 中々に洗い物担当さん泣かせの器ですが、口には欠けひとつ見当たりません。店主小川氏の器へのこだわりと、従業員の皆さんの意識の高さを感じずには居れません。さらに、画像をよーく見て下さいね、左奥の黄瀬戸の小皿などは 『あぶらげ肌』 で、かなり良いものですよー。これははっきり言って京都の老舗料亭並みの器使いと云って過言ではありません。

木造民家造りの一間で、良い器で美味いおそばをいただいて果報この上ないことでした。

posted by かまなりや at 19:11| お蕎麦屋・麺物屋

2016年11月02日

 安さ太゛




浅草橋の老舗そば店 『あさだ』 さんで、新そばを食べてきました。今日は11月の初旬とは思えない寒い日で、もりを食べる気にはなれず種物の 『若鳥南蛮』 を手繰ってきました。そばは白めの細打ち、つゆ(甘汁)はかつおだしの効いた飲みやすいつゆでおそばを平らげた後にぐいぐいと飲み干してきました。

おそばも美味しかったのですがこちらのお店、おしながきの筆がとても達者で驚きました。店内に書かれているおすすめメニューなどもさらさらと墨書された和紙がひらりと貼ってあるのですが、それがごく当たり前のようにさりげなく、はてご主人の手なのかはたまた女将さんの筆跡なのかとても感じ入りました。

またぜひ浅草橋界隈に赴くことがあれば伺って、折を見てどなたの手になるものか教えていただきましょう。

お江戸の老舗はこういうところがたまりませんなぁ。

posted by かまなりや at 18:11| お蕎麦屋・麺物屋

2016年04月22日

 えどそば




いつかは暖簾をくぐってみたいと思っていた東京森下の 『京金』 さんで、おそばを食べてきました。江戸川からの帰り道、値上がりした首都高代を節約するべく都心環状線の京橋まで一般道を走ります。京葉道路をすっ飛ばして緑一丁目から清澄通りを南下、新大橋通りを西に折れて銀座へ向かうのですが、その新大橋通りにぶつかる森下交差点の東側に京金さんは暖簾を掲げています。

おそばは 『常陸秋そば』 の自家製粉手打ち、つゆは辛過ぎず落ち着いた風味、特筆すべきはそば湯がとろとろのポタージュ状でたっぷりと供されるところ。どろどろ好きにはこのそば湯は嬉しい限り、ひょっとすると別鍋で拵えてるかもしれませんねぇ。

東京のおそば屋は数え切れぬほどありますし、全てを廻るのは不可能に近いですが、贔屓のお店が数件あればこれに勝る幸せはありません。今日は車でしたから呑めませんでしたが、今度は徒で伺ってゆっくりとお酒を楽しみたいと思います。

楽しみが一つ、増えました。

posted by かまなりや at 21:36| お蕎麦屋・麺物屋

2013年09月02日

 ふじさわ


 藤沢の隠れ家的蕎麦店 『すい庵』さんへ行って
 きました。なかむら庵で修行された方が出した店
 らしく、最近人聞きに知って気になっていました。
 鎌倉仕込みの信州系蕎麦は中々美味でした。

自家製粉十割手打ちと謳われたおそばは太打ちで、見るからに気骨
のある存在感。季節柄おろしそばを頼んだら苦手な「海苔かけ」で少々
ゲンナリ・・・ 海苔を捌き捌きおそばを手繰るもそばが短く、そこへ
海苔がくっついてどうにも食べにくかったです。まあこれは私の嗜好
の問題で、海苔がかかっていると知っていれば黙って「もり」を頼んで
いました。でも、海苔はほどけやすい良い物を使っていらっしゃいま
した、花巻きでいただいたら最高でしょう。

茹で加減はとても良く、最近多くなったラーメン屋のような煮え前の
硬いおそばでは無かったのが嬉しかったです。お店もきれいで、花番
の女将さんもとても感じが良かったです。旦那さんが釜前をし、息子
さんらしき若い衆が膳立てをしていましたので家族経営なのでしょう。
おそばはたぶん旦那さんがで打っているのでしょう。

夏場は打ち手にとってきつい時季です。もう少しで新そばが出ますが
その端境でこの猛暑ですから、つながらないのも無理からぬこと。が
しかし、石臼自家製粉手打ちを売りにするなら、つなげる術もあるはず
です。短いそばはイヤです、昔から 『うどん一尺、そば八寸』 という
とおり、麺は長くつながっていてこそです。

涼しくなって、新そばが出る時期になったらまた伺いましょう。
ここの名物 『冷し鴨南ばん』 は、やはりいちど食べてみたいです。

posted by かまなりや at 18:23| お蕎麦屋・麺物屋

2013年08月12日

 むろまち


 神田神保町に野暮用があって行って来ました。
 時分時だったのでどこかで昼を食うべいと思案
 して、日本橋へ廻り 『室町砂場』 で久しぶりに
 江戸前の白いざるそばを食べてきました。

店の構えが変わっていたので、あれ?と思いつつ入店すると入り口
と内装が少々改装されていました。以前は向かって左に入り口があり、
店内には御二階へ上がる立派な木の階段があったのですが、階段
はなくなってそのスペースはきれいなバリアフリーのお手洗いになり、
二階席に上がるエレベーターが新設されていました。高齢社会への
配慮なのでしょうねぇ。

お店の花番さんに注文をする際に 「改装されましたか」 と尋ねて
みると、「はいもう5年経ちます」 とのこと。はぁもう5年もご無沙汰し
たかと、近くて遠い東京との距離を感じました。ここも、手捏ね機械
打ちの太さの揃ったおそばで、きりっと茹でて水の切れたおそばは
本当に男前です。今日は夏の定番 『天ざる』 を手繰ってきました。
四角いセイロにはらりと盛られた所謂 『ハエの通り抜けられる』 うす
盛りは食事としては軽く、やはり酢の物か何かで一杯呑ってからメシャ
ガリたい献立です。

都会は、お盆前のご奉公で働くサラリーマンでごった返していました
が、流通関係は早、休みに入ったものか車はいくらか空いておりまし
た。いよいよ明日からお盆休み、うちの女将も今朝岩手釜石へ発ちま
した。

あたしは一週間、猫の世話をしながらお留守番です。

こちら改装前の店構え、アングルが右左で済みません。

posted by かまなりや at 17:53| お蕎麦屋・麺物屋

2013年06月17日

 かまくら


 鎌倉 天ぷら大石さんへ納品に行ってきました。
 小鉢と小皿を20ずつのご注文、発注いただいたの
 は昨年の11月・・・又もや半年もお待たせしてしま
 いました。申し訳もありません。

ご主人の大石さんとはもう二十年来のお付き合いで、こんなゆっくり納品
でもにこやかにご笑納下さいます。まったくもって有り難いことで、その
懐の深さに恐縮しつつも、甘えすぎぬようにせねばなぁと毎度毎度反省を
繰り返している体たらくです。

時分時でしたが天ぷらをゆっくりと食べている時間の余裕が無く、久しぶ
りに大町の百苑さんでうどんを食べてきました。鎌倉唯一の うどん・きし
めん専門店は先代からの創作うどん店で、私はかなり気に入っています。
今日は暑かったので冷やしの 『きざみとろろうどん』 をいただきました。

今鎌倉は紫陽花の季節で人出も多かったです。これから夏本番ともなれ
ば海が賑やかになることでしょう。世界遺産登録は逃したようですが、乱立
する世界遺産にはそれほどの有難味を感じませんし、神奈川県民にとって
鎌倉はいつでもそこにある古都であり、変わらぬようで変わっている町で
いいのだと思います。

そのうちに時間が取れたらゆっくりと天ぷらが食べたいなぁ。

posted by かまなりや at 17:48| お蕎麦屋・麺物屋

2013年06月12日

 つけてん


 先日、横浜平沼の角平さんで名物 『つけ天』 を
 食べてきました、評判どおりの美味でした。冷たい
 もりそばを天ぷらの浮いた温かい汁でいただくスタ
 イルで、嬉しいことに角平さんは天ぷらが選べます。

海老天一本の基本スタイルから、二本の 『種ごみ』 や掻き揚げ、野菜
天、果ては揚げ玉とお好みのバリエーションで楽しめる上に蕎麦の盛り
も調整してくれます。乙なしもた屋の店内は椅子席と小上がりの座敷が
整然として居心地良く、ベテランの花番さんたちがきりきりと働いて注文を
とり厨房へ通していく活気あるさまは、あーお蕎麦屋に来てよかったなぁと
ホッとさせてくれます。私は掻き揚げのつけ天を注文しました。

ソバは手捏ね機械打ちらしく、寸法のきっちり揃った細麺がいっそ固い
なと思うくらいに良く締まった状態で丸い蒸籠で配膳され、熱いつゆに
つけていただくとしっかりと腹に納まります。揚げ置きらしい天ぷらは
余分な油が切れ、つゆの中でゆっくりとほどけます。おソバを平らげる
頃にはつゆと天ぷらは絶妙に馴染んで、たっぷりの蕎麦湯で割りなが
らスープとして満喫できました。

手打ちが持て囃され、揚げたての天ぷらが至高と崇められた、盛りの
少い高級ソバもそれはそれで価値ある品だとは思いますが、街の片隅
に庶民の為に暖簾を翻すこういうお蕎麦屋さんこそが好ましく感じるの
は、私がズブズブの平民庶民だからに他なりますまい。

角平さんのつけ天そば、横浜にいらしたらぜひお試し下さい。

posted by かまなりや at 17:17| お蕎麦屋・麺物屋

2013年02月20日

 かんだ


 神田の藪蕎麦さんが火災を起こしたという今朝のニュース
 には正直驚きました。おそば屋さんは元より、調理で火を
 使う商いのお店は火災にそれはそれは気を使っています。
 まずもって、調理場からの失火は考えられません。

古い木造の建物ですから、点いてしまえばあっという間に延焼してしまったこ
とでしょう。出火は営業時間内でお店にお客さんもいらしたということですが、
お客さんはじめ従業員の皆さんにお怪我が無かったのは何よりでした。

大きな痛手だとは思いますが、ぜひとも営業を再開して欲しいものです。

posted by かまなりや at 18:11| お蕎麦屋・麺物屋

2012年08月13日

 くらま


 久しぶりに西荻窪の鞍馬さんへ昼酒を呑りに行ってきました。午後
 の、お客さんが一段落した時間に暖簾をくぐりお気に入りの奥まっ
 た席に根を生やし、栃木の名酒 『四季桜』 をちびりちびりと呑み
 ながら本など読んで、まったりと気の養いをして参りました。
色々なお蕎麦屋さんに行きますが、東京では今のところここ鞍馬さんが一等のお気に
入りです。地元神奈川ではやはり師匠のお店鷺沼よしみやさんが一番ですが、一点
やはり師匠のお店では多少の緊張がありまた、少々お店が広いのでお客さんが少ない
と心持ち淋しくなるような気がします。これは人間のスケールの問題でしょう、鞍馬さん
はそう言っっちゃうと失礼になるかもしれませんが小体なお店で、自分の尺にちょうど良い
広さなのだと思います。また、荻窪生まれでこの界隈の雑多な空気も肌に合うのです。

今日は久しぶりに鴨汁そばを手繰ってきました。常陸秋蕎麦十割を水だけで打ったとは
思えない朗らかなおソバにはいつもながら唸ります。下駄履きで来られる距離ではない
ので時間を拵えないと伺えないお店ではありますが、年に一度は憩いに来たいお店です。
いつまでも西荻のこの地にあり続けて欲しいですねぇ。

うっかりすると見落としてしまいそうな地味な店構え。今日は写真ではなく絵を描いて
みました。パースも何もめちゃくちゃですが、店の雰囲気は描けたように思います。


posted by かまなりや at 19:12| お蕎麦屋・麺物屋