2017年07月06日

 ぶあつい



 
池井戸潤氏の社会派小説 『空飛ぶタイヤ』 を読み終えました。文庫版ですが、厚み1寸(3cm)本編頁数826という巨編です。が、ぐいぐい引き込まれて後半は一気に読んでしまいました。もっと長くても良いくらいに感じました。物語は、トラックのタイヤが外れて死傷事故を起こした運送会社の社長が自社の整備不良が原因ではないことを証明するために奔走するという物ですが、メーカー、銀行、取引先、警察などが絡みつつ苦戦に苦戦を強いられながらも最後には自社の潔白を証明するというお話です。重いテーマではありますが、そこはそれあの半沢直樹を書いた作家さんですから物語の絡め方が巧みで読み手を飽きさせることがありません。

このお話、全くのフィクションとして書かれていますが、舞台は横浜です。そう、2002年に三菱自動車が実際に起こしたタイヤ脱落事故とそのリコール隠しに焦点を当てて書いたものであることは明白です。私もこの事故の前の一時期三菱デリカに乗っていましたが不具合が多く、近所のディーラーの対応が頗る芳しくなかったので愛想を尽かせたことがありました。

人の心情を書かせると実に上手な作家さんだけに涙なしでは読めない本です。しかし、読後の清々しさは保障します。ちょっと嵩張る重い本ですが、ぜひお勧めいたします。

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2016年09月24日

 かがもの




ここのところ、東野圭吾の小説を立て続けに読んでいます。先週は新刊の 『危険なビーナス(借り物)』 を読み耽り、昨日からはやっと文庫に降りた 『祈りの幕が下りる時』 を読んでいます。きけビーも頗る面白かたですが、久しぶりの加賀恭一郎シリーズ所謂 『加賀物』 にワクワクが止まりません。厚い本ではないのであっという間に読み終えちゃうのでしょうけれえど、飛ばし過ぎないように味わいましょう。

秋の夜長に持って来いですな。

posted by かまなりや at 18:15|

2016年05月04日

 よんほん




久しぶりに本を読む時間が取れました、今日は、ほぼ一日読書。新刊を買うお金はないので女房のお下がりの小説二冊と古書店B・Oで20%OFFで買った随筆二冊の云わば 『四本立て』 です。何だか昭和の名画座の映画みたいで愉快です。乱読傾向の私は複数本の同時進行読書が好きです、今回の献立は重厚な警察小説で映画化もされた横山秀夫氏の 『64(ロクヨン)』 と、ぐっと庶民的な直木賞作家池井戸潤氏の 『下町ロケット』 の2冊に、小説家でありながらその文体の緻密さと裏腹な爆笑エッセイで群を抜く三浦しをんさんの 『悶絶スパイラル』 『極め道』 2冊という実にバランスのとれた?豪華4本立てです!

ここのところ横書きの液晶画面文章にばかり接していたので、縦書きの印刷活字がとても目に快く、小説世界に没頭し、爆笑エッセイに吹き出して、素晴らしいストレス解消ができました。巷はまだ黄金色の休日ですが、私の休暇は本日まで、明日からまたせっせとろくろを挽きます。今月も忙しくなると思いますが、合間合間に本を読む時間を拵えて、上手に息を抜きましょう。

さてさて、楽しい連続休暇でした。最後の晩は、ユーターンラッシュのニュースを聞きながら安酒を嗜み、いいだけ酔ったらコロンと寝ましょう。

posted by かまなりや at 18:20|

2015年11月16日

 ガイド




我が家の働き者 『スバルサンバー』 のタイヤを交換しに藤沢のタイヤ屋さんへ行って作業の待ち時間に何気なく手に取った、かの有名なタイヤメーカーの食堂案内本(横浜・川崎・湘南版)に、とっても懇意にしているお店が三軒も掲載されていました。 おお!すげぇなあと驚きつつ、心の底では複雑な思いがしました。

お店にとっては名誉なことですので、こちらが色眼鏡をかけず、常と変らぬお付き合いを心がければ良いのでしょうねぇ。

posted by かまなりや at 22:01|

2015年09月13日

 完走感想




とーっても面白い本でした! 三浦しをんさんの 『風が強く吹いている』 久々に夢中になって小説を読み耽りました。

ストーリーは、無名の大学陸上部の仲間がたった10人で箱根駅伝をめざすと云う、マンガのようなあり得ない設定のスポ根ものですが、それを練りに練ったプロットと作者の筆力で、ぐいぐい読者を引き込み、10人それぞれのキャラクターを上手に絡めて走ることの意味をも考えさせるという伏線がいっぱいの実に心憎い秀作です。特に駅伝ファンには各コースでの要所が端的に見どころになっているのが嬉しく、選手の心理や緊張や息使いが手に取るようにわかります。駅伝に詳しくない人には分かりづらいところもあるかと思いますが、読めばきっと箱根駅伝が好きになること請け合いの物語です。

後半は、物語のテンポの良さと走るキャラクターの速度に引っ張られて活字を追うのが加速してあれよあれよと読んでしまいました。暮れになって駅伝気分が盛り上がってきたら再読してみましょう、次はゆっくりと行間を楽しみながら読んでみましょう。

来年1月の 『第92回箱根駅伝』 まで、あと 111日 です。

関連記事 2015年9月7日 秋乃読書

posted by かまなりや at 18:44|

2015年09月07日

 秋乃読書




涼しくなったせいか無性に活字が読みたくなりました。そこで、先日読んだ 『舟を編む』 の作者三浦しをんさんの本をどさりと三冊(とは云え文庫版)古本屋(それも100円コーナー)で買い求めてきました。

『神去なあなあ日常』 は林業物。茨城で修業中少ーし山仕事を齧ったのでとても興味が湧きます。『風が強く吹いている』 は箱根駅伝物。走ることは苦手ですが、箱根駅伝ファンとしては楽しみな題材です。『私が語りはじめた彼は』 は大学教授物。こちらは表題の語呂が気に入って衝動買い。

さて、乱読数寄の私は三冊をいっぺんに読み始め、その日の気分でどの続きを読むかを決めて楽しみます。陽も詰まり、いわゆる秋の夜長に小説にのめり込んで浮世の憂さから一時退避して、明日の鋭気の糧としましょう。

posted by かまなりや at 17:38|

2015年08月23日

 みるよむ




映画 『舟を編む』 をインターネットで三分の一ほど見たらあまりに面白そうで、でもこれは活字で読む方が数段よろしかろうとすぐさまブック〇フに走り、文庫版ではありますが原作小説を買ってきて読みました。予想通り、辞書を作るというテーマは言葉で書かれたものの方が説得力があって数倍おもしろくまた、終盤は泣きながら読みました。この本は本屋大賞をとるだけのことはあり、お勧めの一冊です。

並行して映画も最後まで見ました。やはり小説に軍配があがりますが、よくぞこの物語を映像にしたものだとお若い監督さんのセンスに驚きました。でも、映画では泣きませんでした。私は映像より言葉の方に弱いようです。 松本千恵役の八千草薫さんがむちゃくちゃ良かったなぁ・・・

一昔前、『見てから読むか、読んでから見るか』 ってなキャッチコピーが流行りました。この小説は正にこのコピーがうってつけです。個人的には読んでから見るのがよろしかろうと思います。

原作者の三浦しをんさんの小説を他にも読んでみたくなりました。

posted by かまなりや at 17:02|

2015年03月18日

 きどう


 昨夏、意を決して蔵書をほとんど
 処分しました。ごっそりあった時代
 小説、美術展図録、雑誌、カタログ、
 ぞっくりと古本屋に出しました。

でも、やはりなーんにも無くなるのは寂しすぎますから、
大好きな杉浦日向子さんの随筆本と、岡本綺堂氏の随筆
加えて同氏の傑作 『半七捕物帳』 は残しました。昨日は
少し時間に余裕ができましたので久しぶりに半七を引っ
張り出して読みました。 やはり面白い!

草臥れていたので早々と夕餉を済ませ、ゴロリと横にな
りながら読んでいましたが、面白いながらも疲れと眠気
が先に立って8時過ぎに寝てしまいました。こういう時の
次の朝は3時4時に目が醒めるのですが、どういうわけか
昨日は昏睡し今朝6時になってやっと覚醒、のめのめと
10時間も寝てしまいました。結局、読書は満喫できない
始末、やれやれです。

そのうちに時間を見つけてゆっくり半七を読みましょう。

posted by かまなりや at 19:14|

2014年07月12日

 ヒナコ忌


 最近とんと活字から遠ざかっていま
 すが、亡き杉浦日向子さんの命日を
 前に、思い出したように杉浦さんの
 本を引っ張り出して読んでいます。

江戸物随筆は数多ありますが、講談社から出ているお気楽
随筆三部作が軽〜く読めて痛快です。時代考証とは一線を
画し現代人杉浦日向子と編集者の森山氏が体当たりでレポー
トする体験随筆べらんめい調。

三部作の内、今読んでいるのは 『呑呑草子(のんのんそうし』
何かにかこつけて現地取材をしつつ、美味い酒を呑むという
お気楽企画ながら、そこはそれ杉浦氏の慧眼がただの紀行
文とは一線を画した味わいを醸し、読者を飽きさせることは
ありません。

杉浦日向子さんが他界してこの22日で満九年、早いものです。
杉浦さんの本に興味のある方はぜひ手に取ってみて下さい。
2006年に私が作った杉浦さんの本の紹介サイトがあります、
完全非公式、勝手連アップですが、杉浦ファンとして気合を
入れて作りました。古い記事ですので所々リンク切れがありま
すがご容赦願います。

posted by かまなりや at 17:52|

2013年08月14日

 絶 版


 何気なく本のことを調べていたら、持っている
 将棋の駒の本が高値で取引されていることを知り
 ました。版数の少ない自費出版的な本で初版など
 にはプレミアムがつくそうです。 やった!

でも私のは再版本で第3刷、初版に比べればがくんと価値は下がること
でしょう。定価は5000円、今更ながらによくまあ高い本を買ったもんだと
呆れます。この本、将棋の駒と盤のことが細やかに解説されていて、非常
に良い本です。自分で作る気がなくても、職人心をくすぐる名著です。

たまーに開いて見る程度の、ほとんど本棚に仕舞いっぱなしの積読本で
すが、価値があると思うとちょっと見る目が違ってしまいます。せいぜい
大事にして、本当に必要な方がいればお値段交渉の上で、お譲りいたし
ましょう。

本の紹介ページ 『駒の詩』

posted by かまなりや at 21:11|

2013年07月17日

 蕎麦本


 蕎麦博物学の権威、新島繁さんの本を読んでいま
 す。博物学などと書きましたがそんな分野がある
 のかどうか?でもしかし、この幅広い知識と多岐
 にわたる編纂には脱帽します。

蕎麦切り文化は江戸で発達した経緯から江戸前のお蕎麦が標準値的
に相対化されているように見受けますが新島氏の研究は広く日本全土
に及び、地方色のある蕎麦文化もあまねく網羅されています。読めば
読むほど江戸蕎麦に縛られている自分のお蕎麦感が揺らぎます。

はて、では自分の目指すソバはと自問するとやはり、白く細く、する
すると手繰れる長さで、濃厚なつゆにちょいと付けていただくモタレ
ない毎日食べたくなるものとなりますが、食べる側に立ってみると、
挽きぐるみの黒い田舎ソバも、真っ白い更科や季節の変わりそばも、
水の切れた出前そばも、駅前の立ち食いそばもそれぞれに良いところ
があります。

まだまだこの世界の奥深さに戸惑うばかりですが、理論も実践も一つ
一つ積み上げながら哲を深めていくしかないようです。陶器も蕎麦も
まだまだ道半ば、深い深い穴を覗き込んでいるような気分です。

posted by かまなりや at 17:55|

2012年12月29日

 いちばん


 今年も色々な本を読みましたが、一等面白く読んだのが
 これです。画家山口晃さんの随筆漫画 『すゞしろ日記
 とりとめもない内容ながら随所にウィットが感じられ且つ
 小咄のようにオチが付いて、お笑い満載の読切漫画です。

手描き漫画で少々読みづらいのですが、何作か読むと目が慣れてきます。
作品展の余興的にかかれたものが評判を呼んで、東京大学出版会PR誌 『UP』
に連載が始まり、単行本には1〜50号の分が掲載されています。さらに、今も
連載中であるそうです。続編が待ち遠しいですな〜。

お正月の休みにのんびり読むにはお奨めです。ご希望の方には貸出し致します。

posted by かまなりや at 16:46|

2012年12月13日

 そばもん


 古本屋でおもしろい本を見つけました、手打ちそばの漫画
 です。えーっついにグルメマンガもここまできたかと恐る
 恐る立ち読みしてみるとこれが案外読めて、二冊買っちゃ
 いました。副題に 『ニッポン蕎麦行脚』 とあります。

まだ1・2巻しか読んでいませんが、主人公の矢代稜は祖父から江戸蕎麦の奥義
を伝授された流れの職人、諸国を回って蕎麦打ちをしながら関わった人々に江戸
蕎麦の心意気を伝えるという役柄。短編長編の作りは 『美味しんぼ』 に似てい
ますが単なるグルメではなく、人情劇になっています。作者はビックコミックで
長く執筆している山本おさむ氏、障害を持つ子とその親や地域を描いた 『どん
ぐりの家』 はその代表作でしょう。

蕎麦打ちの端くれとしても実に興味深く、勉強になります。ただ、少々書かれて
いることが聞きかじりなせいか心持ち古くさく感じなくもないのですが、読むほう
でそこを上手に解釈すれば、物語巧者の山本氏だけに人情劇に思わず涙ぐむ
話もあり、先を読むのが楽しみです。

単行本は10巻まで刊行されていてなお連載中ということですから、まだまだ楽し
めそうです。全巻そろえてお正月の休みにはのんびりと蕎麦漫画を読みましょう。

posted by かまなりや at 17:21|

2012年10月28日

 イイノサン


 ガラス作家のイイノナホさんが、J-WAVEのラジオ番組
 アトリエ・ノヴァにゲスト出演していました。土曜のお昼
 の番組で、ライブで聴くことができなかったので録音し、
 夜にゆっくりと聞きました。

代表作のペーパーウェイト15周年の記念出版本 『ガラスとヒカリ』 の話題を
中心にガラスに対する想いなどを語られていました。スタジオ生出演のわりには
リラックスした様子で、ゆったりとお話をするイイノさんは普段どおりのホンワカ
した感じがラジオからも伝わってきました。後半は娘さんのヨウちゃんも登場し
てナビゲーターのクリス智子さんも一寸ハラハラ、家族でおもしろく聞きました。

画像は5月に開かれた出版記念展で買った本です。何とダブルサイン入り!

詳しくはこちら
posted by かまなりや at 00:00|

2012年10月12日

 ゴゴゴゴゴゴゴゴ


 増谷ジョニーさんから、お借りする約束をした漫画本が
 ドドーンと送られてきました。今年25周年を迎える名作
 シリーズ 『ジョジョの奇妙な冒険』 です。ズキュウン!
 第4・5シリーズ締めて22冊、ドォーン!おおおおおおっ

秋の夜長にJOJO三昧、ナァーイス!
ふるえるぞハート!燃えつきるほどヒート!!
刻むぞ血液のビート!山吹色の波紋疾走!!  ちと古めかな・・・

クリックで画像を拡大だー、うりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃー。

posted by かまなりや at 18:30|

2012年10月10日

 さいぼう


 イラストレーターの斉藤俊行さんから、斉藤さんが挿絵を
 した新刊本を頂戴しました。その名も 『かしこい単細胞
 粘菌』 渋いタイトルの本ですが、中垣俊之学術博士が
 わかりやすく解説した低学年向けの科学絵本です。

極力写真に近いイラストをとの要望に応えたという絵はどれも緻密で、理解を助け
てくれます。これが写真であったら、子供のみならず大人でもちょっとキビが悪い
と思ってしまうのではないでしょうか?そこをイラストでリアルに表現するのは
中々骨の折れる仕事であったろうと思いますし、画力の問われるところです。それ
を持ち前の細やかさできちんと書き込んでいる絵はどれも見やすく、シルエットの
人間が細胞の大きさと対比するように描かれ、菌類がとても身近に感じられます。
いやあ、いい〜シゴトです!

折しも、新細胞を拵えた京大の教授が世界的な賞を受賞するという一報が飛び
込み、巷は細胞に関心が集まっているところ。不肖私もこの夏の胃の内視鏡
検査でピロリ菌を発見され除菌を勧められるも、太古の昔から共生しているおと
なしい菌をむざむざ排除されてはたまらんぞと、毅然と除菌をお断りしたばかり。
粘菌はとても賢い一面があるとのこと、私のピロリちゃんたちもきっと賢く胃の
中に住んでいることでしょう。悪さをしないようにたまにはピロリちゃんたちの
好物 『尿素』 を食べてやりましょうか。  尿素入化粧水でも呑むか・・・?

全体画像をご覧下さい。

posted by かまなりや at 17:22|